図書館ツイート、削除を検討

「学校が死ぬほどつらい子は図書館へ」と神奈川県の鎌倉市立図書館がツイートしたことに対し、市教委が一時削除を検討していたことがわかった。市教委内部からは、ある言葉に引っかかるという意見が出ていたというのだ。
中央図書館の女性司書による2015年8月26日のツイートは、10万件近くもリツイートされる大反響となっているそうだ。多くは「感動した」と言った好意的な声だ。
一方で、「学校を休んで図書館へいらっしゃい」という表現は、鎌倉市教委の内部で問題になったと一部で報じられた。不登校を助長することにもなって不適切だとの声が出て、ツイートの削除も一時検討されたというものだったそうだ。
ところが、市教委の組織内にある図書館の館長への取材によると、不登校助長というのは誤解で、まったく別の理由から不適切との意見が出たという。それはツイートの中に「死ぬほどつらい」「死んじゃおうと思ったら」という言葉があることだという。
26日のうちに市教委の各部署から10人ほど集まってツイートのことを話し合うと、「これらの言葉は死を連想させる」としてツイートを削除すべきとの意見が数人からでたそうだ。つまり、ツイートを読んだ子供たちの自殺を誘発してしまうのではないか、という懸念だ。それは新聞社などが特集を組むと自殺を誘発してしないかと扱いに慎重になるのと同じことだという。
しかし、ツイート内容としては「自殺しないでほしい」「図書館は居場所の1つですよ」という意味もあるので、話し合った結果、削除しないで行こうという結果になったという。
ただ、図書館に寄せられている数十件の意見には「図書館へ来た子へのフォローは考えているのか」という批判も寄せられたそうだ。子供をほったらかしにすれば、不登校助長につながるという指摘だ。
公益社団法人「日本図書館協会」による「図書館の自由に関する宣言」では、第3条に「図書館は利用者の秘密を守る」と謳われている。鎌倉市図書館でもこの精神を尊んでおり、小中学生が平日昼間に図書館にいても声をかけたり学校に通報したりはしないという。しかし、子供たちを気にしていないわけではなく、見守ってはいるのだという。
もっとも、自殺を選ぶくらいなら学校に行くべきではないし、子供たちにとっては学校だけがすべてでもない。本の世界に浸ることで何かに目覚め、そこから新しい人生が開ける可能性だってある。これを機会に、図書館の在り方などが議論になっていくのかもしれない。また、図書館以外にもこうした場を提供してくれるところが出て来てくれればと思う。